周縁飛行

日に日に半径が増大する極大の遠回り。その記録。

202008 星の降る森(群馬県)キャンプ 1

「9月に延期、とか言っていたら、石垣島医療崩壊起こしているみたいなんだが」

「だな。様子見の長期化が予想される」

「どうせすぐ行くだろうと思って、出発前からブログに旅行記つけ始めちゃった俺は、どうしたらいい? このまま永遠に出発しない旅行記になるよ?」

「知らぬよ」

 

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うだる暑さの中、カルマ氏と私は石垣島に思いを馳せていた。しかし、いくら思いを馳せても現実は変わらない。

ふと、カルマ氏が思い出したように、

「とりあえず、キャンプに行かないか?」

「いいね。前に話していた星の降る何とかに行きたい」

「よし、行こう」

こうして星の降る森でのキャンプが決まった。

私とカルマ氏はキャンプをしないキャンパーである。キャンプをしないキャンパーとは何かというと、「キャンプって最高だよね」「やっぱり人間、自然の中で暮らすのがいいと思う」「薪を割る、火を起こす、ボーっとする。これに勝る贅沢は無い」などと宣いながら、いざキャンプへ行くと近くの街や観光地で遊んでしまい、夜も遅くなってから、「やべっ、もうこんな時間」と暗闇の中で火おこし&BBQを始め、疲れ果てて即就寝、気づけば翌日で特に自然と触れ合うことも無くキャンプ場を後にする不届き者である。

誤解してはいけない。我々はこのことを反省し、次こそはちゃんとキャンプしよう。少なくともちゃんとキャンプ場で過ごそう、と思って今に至るのである。

大体、夜遅くにカンカンカンカン音を立てて薪を割ったりして本当に申し訳ない。キャンプとは何なのか、今一度考えてから出直してこいという感じである。

「したら、今度こそ反省を活かさないとな」

「そうだな。立派なキャンパーになろう。よし、善は急げだ。予約しておくか」

「頼むわ」

カルマ氏の画面を共有で見つつ予約を終え、私は思った。

「テント張るのめんどいよね」

「さっそくか」

カルマ氏は突っ込みつつも、

「否定できないからいかんよな、俺も」

ちゃんとしたキャンパーになるための第一歩がここから始まる。

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