周縁飛行

日に日に半径が増大する極大の遠回り。その記録。

202008 星の降る森(群馬県)キャンプ 6

「いよいよ来たか、この時が」

ホットサンドメーカーに対する期待は高かった。なんでも手軽にできてうまい。この触れ込みが違っていたら、我々は終わる。県をまたいでやってきたキャンプ地でジョンソンヴィルだけ焼いて食べて終わる。

「どれからいく?」

「ベーコンからいこう」

ベーコンのチーズ焼き。名前だけで十分においしいことがわかるその料理にコービーフを追加して肉の花を作る。

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包むようにしてベーコンを折り返し、ホットサンドメーカーで挟んだら準備完了である。5分間のタイマーをかけ、時折ひっくり返しながら待った。

あっという間に出来上がった。

ジュージューいうベーコンをチーズ・コーンビーフとともに摘み上げ、頬張る。

「うまっ!」

コーンビーフの量が多く、やや主張が強かったが、屋外補正もかかり味は最高であった。

「肉まん焼こうぜ」

「オッケー」

今度はバターを敷いて肉まんを焼き、それが終わるとギョーザを焼いた。

どれも美味しく、そして何より、楽だった。

適当に並べて挟んで焼くだけ。素晴らしい。

口々にホットサンドメーカーを褒めたたえながら、チーズベーコン→肉まん→ギョーザのヘヴィーローテーションに突入した我々は料理のうまさとホットサンドメーカーの便利さに興奮し、興奮しすぎて発狂し、気がついたらテントを燃やしてキャンプファイヤーをやっていた。

夕闇が迫る群馬のキャンプ場で我々の寝床は大炎上していた。

「あははははは、燃えろ、燃えろ」

「あは、あは、あは、毎日がエブリディ」

そんなことを叫びながら団扇でぶんぶん風を風を送っていると、寝床はあっという間に焼失した。

というのは、もちろん嘘であるが、ホットサンドメーカー料理に興奮していたことは事実である。今回のキャンプで最大の収穫であった。

よい感じに満腹に満腹になるころには、日もすっかり暮れていた。まだまだ薪は大量にある。カルマ氏の燃やす焚火をぼんやりと眺めながら思った。

「キャンプしてるやん、俺ら」

「これは目標達成とみていいのでは」

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焚火眺めるとなぜ落ち着くのか。わかる人がいたら教えてほしい。落ち着きすぎて睡魔に襲われ、カルマ氏を残して先にテントへ入り、寝た。

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