周縁飛行

日に日に半径が増大する極大の遠回り。その記録。

202008 星の降る森(群馬県)キャンプ 7(完)

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すがすがしい朝であった。

まあ、どうしてもテントで寝ると夜中に何回か目覚めるので、ぐっすりというわけにはいかなかったが。カルマ氏のほうはもっとひどく、全然眠れなかったらしい。こっちが起きだしてからもずっとテントに横たわっていた。

しかし、8時半を過ぎると徐々に暑くなりだし、蒸し風呂のようになったテントの中からとうとうカルマ氏も這い出してきたので、キャンプで最もモチベの上がらない作業である後片付けを始めることにした。

キャンプの帰り支度ほど意気の上がらないことも中々ない。

楽しいことはすべて終わり、ただひたすらに面倒くさいだけである。そもそも後片付けは全部そうか。しかしテント泊後の疲労感を抱えての後片付けは格別に面倒である。

「片付け不要のプランするか、次から」

「そして、そのうち設営もお願いするか、というふうになって、どんどんキャンプ要素なくなっていきそうだな。というか、そういうのは大体、設営も片付けも不要か」

「グランピングというやつだね」

一度で運ぶのが難しいので、何度かに分けて管理棟にレンタル品を返し、自分たちで持ち込んだものも車に積み込むと、いよいよ星の降る森とお別れである。

「あ、そういえば星、降ってきてないやん」

「儲けそこなったな」

カルマ氏は眠い目をこすりつつ、車を発進させた。

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