202008 星の降る森(群馬県)キャンプ 7(完)
すがすがしい朝であった。
まあ、どうしてもテントで寝ると夜中に何回か目覚めるので、ぐっすりというわけにはいかなかったが。カルマ氏のほうはもっとひどく、全然眠れなかったらしい。こっちが起きだしてからもずっとテントに横たわっていた。
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「いよいよ来たか、この時が」
ホットサンドメーカーに対する期待は高かった。なんでも手軽にできてうまい。この触れ込みが違っていたら、我々は終わる。県をまたいでやってきたキャンプ地でジョンソンヴィルだけ焼いて食べて終わる。
「どれからいく?」
「ベーコンからいこう」
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灼熱地獄のような暑さの中、焚火をガンガン燃やしたせいで、我々のサイトは本当に灼熱地獄になっていた。
「あっつ、焚火あっつ」
「あついな。まるで俺たちのキャンプへかける情熱のようだ」
「残念ながら、それはここまであつくはない」
「果たしてそうかな?」
「果たしてそうだよ。薪、絶対こんなに必要ないだろ」
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隠れ家的そば屋を後にして、ようやく目的地である星の降る森へ到着した。
高速を降りてすぐの割にがっつり山の中で、まさにキャンプをするためにあるような場所であった。ってぇ、キャンプ場なのだから当たり前である。受付棟のそばには馬がいて、草を食んでいた。
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別段、大都会に住んでいるというわけでもないが、外に広がる田園風景を見て我々のテンションは急上昇した。特にカルマ氏は、10連をスカしたことなど一瞬で忘却し、不分明な言葉をおらびながらアクセルを限界まで踏んで爆走。車は風に波打つ稲を次々になぎ倒しながら田んぼを突っ切り、畔に激突して前方宙返りをした後、背中から着地して大破した。
というのは嘘だが、気持ちの上ではそんなハチャメチャな感じだった。
二人とも海の近くに住んでいるので、田園風景の新鮮さが憧憬を喚起したのかもしれない。というどうでもいい分析をしていると腹が減ってきた。
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