周縁飛行

日に日に半径が増大する極大の遠回り。その記録。

仮想現実に降り立つ

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仮想現実という考え方が、この世に登場したのは一体どのくらい前なのだろう。

安直にWikipediaで「バーチャル・リアリティ」の検索をかけると、すでに1935年には、スタンリイ・G・ワインボウムという人が書いた小説の中に、ゴーグル型のVRシステムが登場しているらしい。

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旅のスタイルは大体、生き方に似る

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「今の人には道に迷う自由もない。」

確か高校2年の時の国語の教科書だったと思うが、別役実の随筆か何かで、そんなことを読んだ。何分、10年以上前のことなので細かいことは思い出せないのだが、カーナビを例に挙げ、そんなことを書いていたように記憶している。

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202008 星の降る森(群馬県)キャンプ 7(完)

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すがすがしい朝であった。

まあ、どうしてもテントで寝ると夜中に何回か目覚めるので、ぐっすりというわけにはいかなかったが。カルマ氏のほうはもっとひどく、全然眠れなかったらしい。こっちが起きだしてからもずっとテントに横たわっていた。

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202008 星の降る森(群馬県)キャンプ 6

「いよいよ来たか、この時が」

ホットサンドメーカーに対する期待は高かった。なんでも手軽にできてうまい。この触れ込みが違っていたら、我々は終わる。県をまたいでやってきたキャンプ地でジョンソンヴィルだけ焼いて食べて終わる。

「どれからいく?」

「ベーコンからいこう」

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202008 星の降る森(群馬県)キャンプ 5

灼熱地獄のような暑さの中、焚火をガンガン燃やしたせいで、我々のサイトは本当に灼熱地獄になっていた。

「あっつ、焚火あっつ」

「あついな。まるで俺たちのキャンプへかける情熱のようだ」

「残念ながら、それはここまであつくはない」

「果たしてそうかな?」

「果たしてそうだよ。薪、絶対こんなに必要ないだろ」

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202008 星の降る森(群馬県)キャンプ 4

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隠れ家的そば屋を後にして、ようやく目的地である星の降る森へ到着した。

高速を降りてすぐの割にがっつり山の中で、まさにキャンプをするためにあるような場所であった。ってぇ、キャンプ場なのだから当たり前である。受付棟のそばには馬がいて、草を食んでいた。

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202008 星の降る森(群馬県)キャンプ 3

別段、大都会に住んでいるというわけでもないが、外に広がる田園風景を見て我々のテンションは急上昇した。特にカルマ氏は、10連をスカしたことなど一瞬で忘却し、不分明な言葉をおらびながらアクセルを限界まで踏んで爆走。車は風に波打つ稲を次々になぎ倒しながら田んぼを突っ切り、畔に激突して前方宙返りをした後、背中から着地して大破した。

というのは嘘だが、気持ちの上ではそんなハチャメチャな感じだった。

二人とも海の近くに住んでいるので、田園風景の新鮮さが憧憬を喚起したのかもしれない。というどうでもいい分析をしていると腹が減ってきた。

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