202008 星の降る森(群馬県)キャンプ 4
隠れ家的そば屋を後にして、ようやく目的地である星の降る森へ到着した。
高速を降りてすぐの割にがっつり山の中で、まさにキャンプをするためにあるような場所であった。ってぇ、キャンプ場なのだから当たり前である。受付棟のそばには馬がいて、草を食んでいた。
受付を済ませ、レンタル品を受け取り、いよいよキャンプ開始である。
オートサイトなので、スペースまで車で行き、テントを張り始める。思ったより苦戦なくテントでき、
「なんだ、余裕か?」
「拍子抜けだな」
と誰にともなくマウントを取りながらタープに差し掛かったら、そこでかなり苦戦した。むしろ、もう数回はやっているのだから、いい加減余裕で張れよという感じである。まあ、こういう苦戦もいい思い出になるからね、などと負け惜しみを言いつつようやくすべての設置を終えると、時間はまだ15時半頃であった。
いつもであれば考えられないくらいの早さであるが、それが普通というか、むしろ普通よりちょっと遅い感じがしなくもない。
次は薪割りである。
夏は暑いから薪は一束で十分だと思いますよ、という星の降る森スタッフの忠告を無視してカルマ氏が二束も薪を購入したため、割るべき薪はたくさんあった。
「新調したハスクバーナを試すにはちょうどよかろう」
「まあね」
今まではレンタルした鉈で薪を割っていたが、今回のために我々はハスクバーナなる斧を買っていた。斧自体の自重でもって薪を叩き割っていくほうが捗るという噂が電子空間を飛び交っていたためである。
実際どうだったかというと、めちゃくちゃ使いやすかった。
薪割り台がなく、薪を立てるのが大変だったとはいえ、木の節などに当たらない限りは、ほぼ一撃で薪を両断できて、すさまじく痛快だった。
目の前に置かれた薪を、世にはびこる不正義、理不尽、不平等、貧富の格差、環境汚染、人種差別などに見立て、斬って斬って斬りまくった。
気がついたらカルマ氏が焚火を始めていた。
「火も余裕でついたぞ」
「やるじゃん」
「だがしかし」
「めちゃんこ暑いね」
焚火による周辺気温の上昇のせいで滝のような汗が流れた。
焚火台のそばにはまだまだ大量の薪が、山積みになっている。